(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
NO.176:経年美化

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2012年3月21日

fushimi_176

 時を経て美しくなるもの・・・

 アンティーク、ヴィンテージと呼ばれるものは長年使い込まれ、劣化する部分がある一方で、見えていなかった内なる美しさが現れ出てくることで新品にはない価値が出てくる。
 また、その物が経てきた時間、ヒストリーは、見た者、手にした者の想像力をかきたて一層その魅力を高める・・・

 特に木質は魅力的である。摩耗と油脂の吸収の繰り返しが、妖しく奥行のある光を生み出し、その時間の深みへと吸い込まれるような錯覚すらおぼえる・・・

 例えば、ヒンドゥー教の修行僧サドゥーがある何十年あるいは百年以上も読経に使用してきた菩提樹の実でできたル・ドラクシャ(数珠)。日本の四季の変化に耐え、幾多の足に踏まれ、固く絞った雑巾で拭かれ続けてきた古寺の床板、そして・・・牛舎の飼槽周囲の丸太

 こんにちは、久しぶりのウシアートです。

 前置きが長くなりましたが、木造牛舎は木質好きにはたまらない空間です(笑)
 木材の魅力はいろいろとありますが、その頂点は何と言っても摩耗と油脂の吸収が生み出す輝きでしょう!!飼槽水槽周囲の馬栓棒は言葉では表せないほどの経年美化があり、それを見て触れるだけで農家さんに叱られたことも、牛に蹴られたことも、ウンチをたべたことも忘れられます。
 ・・・私はね・・・

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