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加地永理奈のコラム
紅歯

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2022年3月2日

3月になり、雪が雨に変わりました。あたたかくなっていく兆しを感じはじめています。皆さまのところの子牛たちは無事冬を乗り越えられていますでしょうか。
農場に子牛がいると可愛くて近寄っていってしまうのですが、生まれたての子牛の歯をよく見るとこの写真のようになっていることはありませんか?

前歯がピンク色になっています。これは前歯に歯茎がかぶってしまっている状態で、「紅歯」とも呼ばれます。未熟な状態で生まれてきた子牛でみられることがあるようです。
この状態のままだと問題となってしまうことがあります。かぶった歯茎が当たって痛くて、ミルクをうまく吸って飲むことが出来ないのです。
子牛の吸引力はとっても大切です。生後すぐに初乳を飲んでもらうためにも、今後健やかに成長してもらうためにも、子牛が力強くミルクを飲む必要があります。そのため吸引力は、子牛が元気か診るための指標にもしていて、指を差し出して哺乳欲があるかうまく吸えるかをチェックしています。
生まれてすぐの子牛がミルクを吸うことを嫌がるようでしたら、前歯に歯茎がかぶっていないか確認してみてください。もし紅歯の状態が原因だった場合には、清潔にした手か爪で歯茎を剥くという方法もあります。それでも飲まない、歯が原因ではないといった場合には、すぐ私たちにお知らせください。一緒に原因を見つけて元気にミルクを飲んでもらえるようにしましょう!

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