2022年3月1日 令和4年1月18日に行われた「ダボス・アジェンダ2022」の中で岸田首相が述べた「今、我々はGreat Resetの先の世界を描いて行かなければなりません」との発言の「Great Reset」がどういうものなのかが気になってしかたがありません。 小生は獣医師なので今まで現場で多くの牛さんの病理解剖を実施してきました。剖検写真も大量にみてきました。そして死亡原因を特定するためにいろいろと勉強もしてきました。しかし、すべての症例ではっきりと死因を特定できるわけではありません。あくまでも現場の目視での診断が中心なので、かなり難しい症例も多々あります。まだまだ勉強が必要です。 一番問題なのが突然死。原因追及は非常に重要です。そして、この突然死した症例の病理解剖をしていると時々DICを疑わせる症例があります。心冠部、第四胃粘膜、十二指腸粘膜の点状出血や肺水腫、腸管膜リンパ節の暗赤色腫大、副腎の出血、脾臓の出血などなど。 ではこのDICとは何ぞや??? DICはDisseminated Intravascular Coagulationの略。日本語では播種性血管内凝固(はしゅせいけっかんないぎょうこ)といわれています。 特徴としては・・・ ・血液凝固系の亢進による諸臓器の血栓形成と循環障害 様々な原因から全身に急激な炎症が発生し、その結果、血管内に大量の血栓を形成。しかし、線溶系により血栓および繊維素を溶解。時間とともに血栓を作るための血小板が減少し、凝固障害からの出血傾向が増大といったことが挙げられます。 人様の世界では「ガン」、「白血病」、「細菌感染症」の3つが主な発生要因とされています。しかし、牛さんの世界ではあまり報告がありません。小生の感覚では細菌感染がDICを起こす重要なファクターだと考えています。大腸菌による敗血症やグラム陰性菌によるエンドトキシンなどが重要ではないかと考えています。また、ワクチン接種によるアレルギーも見逃せないと考えています。DICは血栓がつくられ、同時に血栓が溶解させられるという相反する症状が全身で行われるために、非常に対処がむずかしくなります。おまけに基礎疾患も重症です。 獣医さんが現場でDICに遭遇する場合、ほぼすべての症例の臨床症状は重篤であり、採血をすると、血液の色が普段よりも黒く、シャバシャバの水のような状態になっていることがあります。もちろん止血しようとしても血の止まりが悪く、血小板数も10万/μl以下となっていることが多いです。しかし、DICは時間の経過とともに変化していくので、このような症状がないからDICではない、と簡単には判断できません。 現場で正確にDICの診断をすることは非常に難しいです。人様の世界でも診断基準がいろいろあり、これまた非常に難しいです。現場の獣医さんは臨床症状、血液の状態、血液検査結果などの限られた情報から「おそらくDICではないか」と判断しています。 剖検をしながら、ふとDICについて思いついたので紹介してみました~~~。 前の記事 第690話:スタグフレーション? | 次の記事 第692話:ADE(抗体依存性感染増強) |