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笹崎直哉のコラム
再検査の重要性 その2~具体例~

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2022年1月25日

「直哉さぁ、結構筋トレしてるよね~?結局さぁ何を(どこを)目指してんの?」とよく聞かれます。私は「何も目指してないよ。ただ基礎代謝を上げて、血液や水分のめぐりを良くして疲れにくい健康的な体を手に入れたいだけだよ」と答えています。年を重ねるにつれ毎日夕方になると「なんか体だるいなぁ~重いなぁ~」と感じるようになってきました。「これじゃいかん!!」と導き出した解決策が「体幹筋を中心とした筋トレ」でした。

筋トレは水分とプロテイン摂取を同時並行で行うと体に良いようでして、成果が出るか分かりませんが「筋トレ、水分補給、プロテイン」この3ステップをコツコツ踏んでいます。いつまでも心身ともに健康でいたいなぁ。

さて前回の続きです。
診療現場では1症例に対し血液検査を1度だけ実施して、治療を終えることもあれば、間隔を設けて再検査、再々検査まで行うケースもあります。振り返ってみると1回で終わらず、再検査まですることが多いような気がします。

再検査の対象となる項目はある程度パターン(白血球数、ビタミンA、総コレステロール値、カルシウム、クロール、マグネシウムなど)が決まっており、1項目ではなくペアで項目をチェックすること(BUNとクレアチニン、CKとAST、γ-GTとASTなど)もあります。

再検査までの期間は1週間設けることもあれば、1か月まで延長させることもあります。これは牛さんの容態の変化をみながら決めます。
では最近再検査を行った症例について紹介していきます。
その症例は肥育牛の尿石症です。尿石症に関しては100%と言っても過言ではないくらい血液検査を実施(月齢などの兼ね合いがありますが)し、BUNとクレアチニンの再検査を高確率で行います。そのぐらいしっかりモニタリングするべき項目だと個人的に考えています。

初診から典型的な尿石症の症状を示していましたが、幸いにも腹腔内に尿が貯留せず、膀胱破裂まで至っておらずすぐさま手術を行いました。初診時の血液検査でBUNとクレアチニンの数値が著増していましたが、1週間後はスッキリと基準値範囲内におさまり牛さんも元気を取り戻してくれました。

次に挙げる再検査事例はビタミンAです。これは意外に思われるかもしれませんが、血中ビタミンA濃度を定期的に検査される農家さんがいます。農家さんから牛さんの月齢や食欲や外貌所見などみながら検査依頼の連絡がくるのですが、以下ご覧のように

しっかりと検査結果をみて、対応されています。

再検査の目的は様々あると思いますが、経時的な推移をみることで新たな情報や知見が生まれたり、闇雲になっていたことがクリアになったりなど沢山のメリットがあります。これは農家さん、獣医師両者にとって有意義なことなのではないかと思います。

つづく

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