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松本大策のコラム
「粗飼料のお話2 粗飼料の切り替えも慎重に!その2」

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2007年7月23日

 ところが粗飼料の場合はそうはいきません。輸入イナワラが入らなくなってから、いずれの粗飼料も品薄ですので、手にはいるときにある程度在庫させて、なくなる直前に新しい粗飼料を購入・搬入してもらうケースがほとんどです(粗飼料はかさばりますから、よほど大きな倉庫を持っていないと大量の在庫を抱えることは無理でしょう)。ですから、なかなか粗飼料の切り替えに時間をかける、というのはななかなか難しいのです。
 ですから新しい粗飼料に切り替えたときには、第一胃の発酵を別の方法で安定させる工夫が必要になります。その一つが、ソフトシリカやゼオライトなどの吸着剤の給与です。これらの吸着剤は、第一胃異常発酵で発生した毒素を吸着して体外へ排泄してくれます。僕は通常の飼養管理でもこういった吸着剤はおすすめしていますが、粗飼料や配合飼料の切り替え時は特におすすめです。ソフトシリカなら100g程度、ゼオライトなら50g程度を切り替え後2週間程度添加してもらいます。またトルラミンなどの酵母製剤やアースジェネターなどの生菌資材も発酵の安定に大きな効果があります。それから普段からバイオバガスのような比較的安定した粗飼料を一定割合で使用しておくと、そのほかの粗飼料を切り替えたときのダメージが軽減されます。
 粗飼料の切り替えにしくじると2週間以上食欲が安定しないこともありますから、十分気をつけてくださいね。
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