粗飼料を切り換えて、最も出やすいトラブルは、「2週間程度食欲が安定しない」というものが多いです。国産イナワラや、せめて輸入イナワラが十分にある時って、「いやぁ、うちの牛は食いがいいから!」って安心出来ることが多いですよね。ところが、粗飼料が不足しだしていろんな輸入乾草を切り換えて使うようになると、なかなか中期の食欲が安定しな駆なるのです。そういう農場では、3〜4ヶ月するとシマリ落ちが増えてきます。シマリ落ちというのは、たとえばサシ格付けから見るとA−4なのに、シマリが悪いためキメ・シマリ格付けが3になってしまうと、枝肉の成績はA−3で記載されてしまうのです。 また、粗悪なバミューダなどで時折見かけるのが、「最近ガスが増えてきた」というものです。とくに粉っぽい(ゴミの多い)バミューダを使用した際によく問題が起こるようです。そのようなバミューダが入荷した際や、ガスが増えてきたときなどは、オーツやイタリアンなどを混合して給与してあげれば、ガスの発生を減らすことが出来ます。前回お話しした生菌剤や酵母製剤の給与、ゼオライトやソフトシリカなどの吸着剤の添加など、コストが多少かかっても牛さんをガスで失うよりはずっとましなはずです。 何にせよ、本来草食動物である牛さんを育てる僕たちとしては、早く気候が安定して粗飼料の供給が改善することを祈るばかりです。
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