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松本大策のコラム
「粗飼料のお話1 粗飼料の切り替えも慎重に!その1」

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2007年7月9日

 肥育牛のお話ですが、みなさん配合飼料の前期から後期への切り替えには時間をかけて慎重になさいますよね。しかしながら、粗飼料の切り替えには以外とむとんちゃくな農場を時折見かけます。
 僕も獣医の学生のときに、たしかに「配合飼料の切り替えは慎重にしないと、第一胃の発酵が乱れて生産性が低下する」と教わったのですが、粗飼料についてはそういう話を聞いた覚えがありません(授業をまじめに聞いてなかっただけ?)
 しかしながら、粗飼料が急に変わると第一胃の発酵がとても悪くなる場合が往々にしてあるのです。「だったら粗飼料も徐々に切り替えてあげたらいいじゃん」ということでお話を終えていいのか?というと、それでは解決にならない場合が多いのです。
なぜかって? まず、2種類の粗飼料を徐々に切り換えるということは、粗飼料給餌にかかる時間が2倍かかってしまいます。(2回与えて回る必要があることがおおいからです。もっとも、1台のキャリアーに2種類の粗飼料を積み合わせれば2回廻る必要はありません。しかし、手間が増えるのは確かですね。)
 また、濃厚飼料の場合は配送状況がよいので、さほどたくさんの在庫を抱える必要がなく、このため前期飼料も後期飼料もちょっとずつでも在庫させておけばいいし、だいいち普通は前期の牛さんも後期の牛さんも農場にいますから、どちらの飼料も在庫があります。(だいたい飼料タンクが足りなくっても飼料屋さんが建ててくれることも多いですよね)
つづく...。
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