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松本大策のコラム
「雌でも尿石症? その2」

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2007年7月2日


 雌の牛さんで、こういう症状を見つけたら、すぐに獣医さんに見てもらいましょう。血液検査でBUNとクレアチニンを測ってもらえば腎臓の機能を調べることができます。腎臓の状態や月齢などから、その牛さんを治療するべきなのか、それとも出荷るすべきなのかを判断します。月齢が若い場合は、出荷しても経済性がありませんから必死で治療します。治療の方法としては、50%のブドウ糖液1リットル(高張利尿剤になります)とリンゲルかハルゼンを数リットル(オシッコの材料になります)にラシックス10〜20ml(利尿剤)を基本として補液してやります。場合によっては、これにデキサメサゾン5ml(消炎剤:免疫抑制作用もあるので使用する場合は抗生物質と併用します)やメチオニン(制限アミノ酸の一つでアンモニアの排泄量を減らす働きがあります)なども加え留場合もあります。それから、尿を酸性化させて石を溶かすために経口でカウストンやウロストンなども与えます。
 これらの処置は出荷制限指示書宿などの問題も絡んできますから、十分獣医さんと一緒に話し合ってから実施するようにしましょうね。
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