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戸田克樹のコラム
第354話「ぱっと分かる目印」

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2021年12月6日

自分で靴をはけるようになった息子を見て

私「前はできなかったのに!突然できるようになるんだなー。」
妻「気づいてないだけでしょ。少しずつできるようになってたよ。」
私「・・・」

どうやら子どもは毎日少しずつ成長しているそうです。勉強になります!!!

さて、そんな「気づき力(りょく)」が弱めな私だからこそお伝えしたいことを今回のテーマにもってきました。それはずばり「パッとわかる目印」です。すぐに目につく(気づける)こと、意味が分かりやすいこと、誰でもわかること、こうしたことが目印には大事ですよね。牛につけておくと便利な目印ってなんでしょう

たとえば繁殖牛では
● 授精(もしくは受精卵移植)は済んだかどうか
● 妊娠中かどうか
● 分娩を終えたかどうか

たとえば肥育牛では
● 肺炎牛かどうか
● 治療より出荷を優先した方がよい牛かどうか(休薬期間に注意が必要な牛かどうか)
● 頻繁に床はまりを起こす牛かどうか
● 獣医師が治療中の牛かどうか

など、管理者が大切だ、もしくはスタッフにも気づいておいてほしい、と思うような情報を「ぱっと見ただけでわかる」ような統一した印に起こしておくと意思統一がより楽になるように思うのです。

「妊娠中だから使う薬には注意しないといけないな」
「この牛は肺炎牛だからよく観察しておこう」
「治療中マークがない牛ばかりなのに餌がたくさん残っているぞ。この部屋のどこかに病気の牛がいるかもしれない」
などなど、目印から得られる情報をもとに様々なことを考えることができます。ただ漠然と牛を見るよりも牛群観察にメリハリがつくので、異常に気付きやすくなったり、肺炎牛に長期休薬をつけてしまった、というようなトラブルも避けることができたりします。

大切なのは一目でわかる目印であることです。耳標に色付きガムテープを貼る、背中や額にスプレーでマーキングする、色付きヒモを首に巻く、などやり方は様々です。皆様の牧場でもそんな目印をつくられてはいかがでしょうか。


(「受胎済」や「分娩済」という情報を色つきの結束バンドという目印で「パッとわかる状態」にしている牧場の一例)

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