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藤田真千子のコラム
No.9 フレッシュチェックで確認すること①

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2021年11月11日

最近、移植前の黄体血流量の確認にOPU用に導入したマイラブワンを使い始めました!OPUでしか使っておらずもったいないな~と思っていたので、繁殖以外でもどんどん使用したいなと思っています(^o^)

今回はフレッシュチェックのお話です。

フレッシュチェックでは卵巣の機能が回復しているか子宮の修復が正常に進んでいるかを確認します。また、BCSなどをみて栄養状態も同時にチェックしていきます。
通常分娩後およそ30-40日でおこなわれます。

<卵巣機能の回復>
多くの牛では分娩の数日後には卵胞波が出現します。しかし乳牛では泌乳によるエネルギー不足、肉牛では子牛への授乳によりGnRH分泌が抑制されるため、分娩後の一定期間、卵胞は十分に発育せず排卵まで至りません。

乳牛では栄養状態が改善されGnRH分泌が回復すると、卵胞は成熟し初回排卵に至ります。およそ半数の牛が分娩後3週間で初回排卵が起こると言われており、このような牛ではその後の繁殖成績が良いことが報告されています。初回排卵に影響を与える要因として、エネルギーバランス、DMI、泌乳量、周産期疾患、子宮感染などがあります。

肉牛では、子牛への授乳の有無で異なります。
・自然哺乳の場合…
主に子牛との触れ合いの刺激(視覚・嗅覚)により、初回排卵は遅れます。栄養状態の良い母牛では分娩後約20~30日、低栄養の母牛では分娩後約50~100日に初回排卵が起こると言われています。
・1週間以内の早期離乳の場合…
自然哺乳と比べ有意に早くなり、早い牛では分娩後1週間、多くの牛では分娩後約2週間で初回排卵が起こると言われています。

<フレッシュチェックでは…>
排卵が起きているか確認するため、卵巣内に黄体が存在するかチェックします。黄体がない場合、発情・排卵直後であるか、もしくは卵巣静止、卵巣萎縮、卵胞嚢腫などの疾患であるのか確認します。
 
つづく
 
 
今週の動画
「臍膿瘍 切開と洗浄 その1【Umbilical abscess 】【Incision and cleaning】episode 1」

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