2021年11月8日 気づけば今年も数えるほどですね。時の流れについていけていません…。 皆様の牧場にこんな牛はいませんか? これはただの傷ではなく、褥瘡(=床ずれ)です。「イソジンを塗っておけばよいか」、あるいは「抗生剤を打っておけばよいか」とよく聞かれます。もちろん、そうした処置をすることで細菌感染を防ぐことはできるかもしれません。しかし、この褥瘡は「患部そのものをケアする」という対応では不十分なのです。その理由を考えてみましょう。 なぜ褥瘡はできるのか 牛の褥瘡ができやすい位置をみてみましょう。たいていは写真のように後肢の膝部に生じます。飛節に生じることも多いですね。ということは、ここに長い時間体重がかかってしまっているということになります。ここに体重がかかる姿勢といえば伏臥位です。 この姿勢だと、どうしても片方の足に体重がのってきます。 座っている時間が長く、そのためにある一部にずっと体重がのってしまい、その結果として褥瘡が起こっていますので、消毒などで褥瘡だけをケアしてもあまり意味がありません。大切なのは「長時間伏臥をしている原因」を探ることです。では、座ったままになってしまう牛はどのような問題を抱えているのでしょうか。 つづく 前の記事 第351話「陰部切開がはやっています」 | 次の記事 第353話「褥瘡について再考②」 |