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藤田真千子のコラム
No.7 渥美牛群管理サービスさんでの研修①

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2021年10月28日

10/25-27の3日間、体外受精卵の培養をお願いしている渥美牛群管理サービスさんで研修させていただきましたので、報告をしたいと思います。

渥美牛群管理サービスさんではOPUをする場所を何箇所か作り、そこに牛を集めてOPUが行われていました。1日に1人で10-15頭ほどのOPUを行い、採った卵は直ちに培養士さんにより検卵・成熟培養され、14時までに作業は終了していました。
 
 
~OPU上達のためのポイント~
① 牛が動かないようにする
数ミリずれるだけで狙いが外れてしまうので、牛の固定は重要です。牛の大きさに合わせて幅を調節できる枠場(写真左)があるととても良いですが、写真右のような一般的な枠場でもタイヤなどを吊り下げて幅を調節できるようです。今までは牛に振り回されながら練習していたので、もう少し工夫しようと思います!

②FSHを投与する
OPUの2日前に5AU(黒毛和種)投与し、卵胞を大きくします。大きくなると吸いやすくなり、見逃しも少なくなります。見えないものは採れないので、まずはエコーで卵胞を認識できることが大切ですね(^o^)/ 一方で回収液の粘度がすこし高くなるようで、検卵しづらくなるという話もあります。

③とにかく数をこなす!!
やはり回数をこなすことです。現在も農家さんで練習させていただいており、本当に感謝しています。早く上達したいと思います。
 
 
卵巣の固定の仕方や、エコーへの卵巣の写し方、微妙な卵巣の動かし方なども教えていただきました。
また、と畜卵巣を用いて、実際にどこに卵胞があるのか見ながら注射用針で吸う練習も行いました。黄体の上や卵巣の索(固有卵巣索・卵巣提索)付近にも結構な数あること、カーブの部分は映らないことがあるため、なるべく平面の場所が多くなるように卵巣を保定することが大切だとわかりました。

今まであまり意識できていませんでしたが、卵巣内をくまなく全て映すことが大切ですね。思ったよりもエコーに映っていない場所があるようなので、どこを映して卵を採ったかをある程度意識しながら行いたいと思います。

次回は検卵編です。
 
 
今週の動画「【How to Bandage】包帯とその巻き方 その3」

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