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加地永理奈のコラム
デントコーンの収穫とサイロ詰め

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2021年9月22日

牛の餌のメインともなる飼料用とうもろこし、デントコーンのサイレージ。先週はどの農家さんを訪ねても、デントコーンサイレージ作りのためにお忙しい時期でした。
背丈の大きいデントコーンの収穫、ハーベスターとトラックの息の合った並走、覗くのが怖いほど深い地下型サイロに詰め込んでいく作業、どれも初めて見る作業でした。
良質なサイレージ作りには「嫌気発酵」が必須条件となるため、収穫して速やかに踏圧し密閉する必要があります。晴れた日に一気に行わなければならないサイロ詰め、本当に気力と体力のいる総力戦のお仕事だと思います。
デントコーンの刈り取り時期は黄熟中後期が最も適しています。雌穂断面をみて、粒の黄色部と白色部の境目(ミルクライン)が半分程度まで来ていれば適期です。水分含量の高い未熟な時期に刈り取るよりも、サイレージからの排汁が少なくデンプン等の養分損失が少ないという利点があります。
収穫中の畑の上空にはトンビが飛び回っていました。今までみっちりとデントコーンが植わっていたところの土壌が露わになり、そこから顔を出す小さな生き物を狙いに来たようです。

ちなみにデントコーンの「デント」は凹みまたは歯のことで、成熟した粒が馬の歯のように見えるため、馬歯種とも呼ばれるそうです。
サイレージについて勉強して、来年は私もサイロ詰めのお手伝いができればと思います。

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