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江頭潤将のコラム
No.46 小休止−8 診療車改良

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2021年8月27日

 現場でOPUや体内採卵を実施するときは検卵や凍結処理をどこで行うかが問題となってきます。私の場合は近場の農家さんであれば事務所に持ち帰ってから、また、遠方の農家さんであれば現地で部屋を貸していただいて検卵をしています。その際、大事なポイントの一つに温度管理があります。暖かい季節はそこまで気を使わないのですが、冬場は還流液や回収した卵胞液などを外気温の中でそのままにしておくとすぐに温度低下してしまい、受精卵や卵子に悪影響があります。事務所に持ち帰ってから実験室の中で作業する分はそこまで問題はありませんが、現地で検卵などの作業をするときは必ずしも冷暖房設備があるわけではありません。また、現地で部屋をお借りして検卵するときは道具の出し入れがあり、特に複数件回る日は何回もセッティングしなければならず大変です。

 そこで、どこに行っても同じ環境で作業ができるようにこつこつと診療車の中をいじっていました。車の中であればエアコンで温度管理が容易にできますし、毎回どこでも同じように作業ができます。私の診療車は日産のNV200という車種です。車内で作業ができるET車を活用されている先生にはハイエースや中にはキャンピングカーを使われている方もいらっしゃいますが、私の車はそこまでは広くないので多少窮屈ですがなんとか作業ができそうなものに仕上がりました。既製品ではちょうどいい大きさのものがなかったので、イレクターパイプでテーブルや棚を作成しました。これで、これからやってくる寒い時期でも安心してOPUや採卵が実施できそうです。

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