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松本大策のコラム
栃木のかわいこちゃん

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2021年8月16日

 栃木に来て、とても素敵なお嬢さんに出会いました。
 分娩予定日より2ヶ月ほど早く生まれちゃったホルスタインの「おチビ」ちゃんです。
 普通は経済性がないと言われて淘汰されるところですが、僕のわがままで治療させてもらいました。

 まだ全身に毛も生えそろってない状態で、ほとんど動けずぐったりしていましたが、絶対に助けたいと思って(美人さんだったので。あ、美牛か)、まず輸血を120ml(これ以上は耐えられないと診断しました)、8時間かけてゆっくり入れて、

 その後もアミノ酸補液を入れたり、タンパク同化ホルモン使ったりして、とりあえずは元気に生きていってくれて、毛が生えそろうとヤクルトやミルクを農場の子が一生懸命飲ませてくれて立てるようになりました。

 しかしその後は下痢が続き、肺炎もやらかして、一時は頭も上げられず「もう死ぬかな」と思っていたのですが、なんと治療を続けているうちに前日までぐったり動かず死を待つ状態だったのが、いきなり元気を出してくれました。
 それでも起立不能に陥っており、何日も「このままたてないのか?」と思っていましたが、かわいい顔してど根性!のおチビさんは自主リハビリで、はじめは他党ともがくだけ。それから立ち上がっては倒れる、を繰り返し、それでも次第によろよろと歩けるようになって、いまではしっかり走れるまでになりました。

 と言っても、本来ならまだお母さんのお腹の中です。体格は普通に生まれたばかりの子牛が巨大に見えるくらい小さなかわいこちゃんです。
 でも、もうしっかりとした子牛の体形で、必ず大きく育って赤ちゃんを産んでお乳を出す立派なお母さんになってくれると信じています。

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