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笹崎直哉のコラム
過肥について考える その4

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2021年7月13日

 本格的な「夏」が近づいてきました。かなりビクビクしています。笹崎は暑さに弱く気温の上昇に敏感なので、夏場は特に牛舎の環境を気にしてしまいます。扇風機がバランスよく設置してあり、通気性のよい牛舎で診察するときは「あー快適だー」と声に出してしまうくらい心地がいいものです。少し大袈裟かもしれませんが、牛さんも同様に通気性の良い牛舎で管理されていれば熱中症やその他疾病発生率が低いように思います。私も熱中症で倒れないように少しずつ暑熱対策をしていこうと思います。

 前回は牛さんの栄養状態を肉眼で判定してみました。個人的に栄養状態は疾病発生とリンクしていることが多いように思います。農家さんも何度かこんな経験があると思います。例えば子牛の肺炎、中耳炎、腸炎(下痢)などです。

 この牛さんは肺炎を患っていました。いかがでしょうか。肋骨がくっきりと明瞭に浮き出ていますね。かなり削痩しています。活力がなく、呼吸促迫で呼吸する度に体を揺らしていました。少し前から熱があって体調を崩していたかもしれません。
 今回は疾病を発見するうえで肋骨が分かりやすい所見となりました。日々牛さんを観察する中で、「なんか最近痩せてきたな」ってときは病気を疑って熱をはかってみたり、糞便の状態を確認してみたり、獣医さんに診察してもらうなどのアクションはとても重要だと思います。牛さんの栄養度の判定とともに疾病の早期発見もできれば一石二鳥です。

つづく

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