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江頭潤将のコラム
No.41  小休止−7 センシング、ウェアラブルデバイス

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2021年7月9日

 ウェアラブルデバイスは身につけて使用する端末のことですが、人の方ではリストバンド型、腕時計型(スマートウォッチ)、眼鏡型(スマートグラス)、指輪型など数多くの製品が開発されています。一方、家畜はというと、最も多いのが首輪型でしょうか。他には足に装着する歩数計や耳に装着する耳標型、ルーメン内に留置するタイプや膣内に挿入するタイプ、尾根部に装着する体表温センサーなどが開発されています。これらを使用する目的はデータ収集することです。収集できるデータは温度、加速度、歩数、気圧など多岐にわたります。これらのデータはセンサーによって様々な情報を計測して数値化することによって得られます(センシング)。ウェアラブルデバイスのいいところは24時間データ収集ができるところですね。これらのデータを解析することにより、反芻、飲水、活動、休息、発情、分娩、発病などを検知することができます。畜産の場合は得られたデータを生産性向上につなげることが最終目標となります。
 上記センサーはすべて接触型センサーと呼ばれるものですが、非接触型センサーというものもあります。つまり、家畜に直接装着したり、体内に留置したりする必要がないセンサーです。非接触センサーであれば1頭1頭端末を装着する手間が省けます。非接触型センサーでは体温、心拍数、呼吸数を測定するものや監視カメラと人工知能を組み合わせて画像解析による行動分析などが開発されているようです。これらはまだまだ発展途上のようですが、今後は5Gが畜産業界でも普及し、ますます進化していく分野ではないかと期待しています。牛舎内に監視カメラを設置するだけで人工知能が発情や分娩兆候など繁殖に関すること、採食、飲水、反芻、起立、横臥など行動に関すること、起立不能など異常な体勢や発病時の特異的な行動などを自動的に計測、発見してくれるようになり、それらに血統情報やゲノム情報、乳牛であれば泌乳に関するデータ、肉牛であれば産肉に関するデータを組み合わせ、日々データを積み重ねていけばかなり面白いスマート畜産が実現できるのではないか…と妄想しています。

 余談ですが、スマートグラスと拡張現実(AR)を組み合わせて、見るだけでその牛の情報が目の前に表示されるような(ドラゴンボールのスカウター的な)ものがあれば便利だなーと思っているので誰か開発してください(笑)

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