(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
戸田克樹のコラム
第341話「耳チェックを忘れないで」

コラム一覧に戻る

2021年7月7日

ついにTシャツに塩がつくようになりました。汗かきすぎですね。いや、暑すぎるのです!

今回はたびたび見落とされる「耳」に関するエピソードです。
「熱がありそう」という稟告を受けて診察したとします。確かに40度以上の発熱をしており、牛も元気がありません。聴診器を当てても明瞭な肺の副雑音(ラ音)は聞こえませんし、他の異常も確認できません。

「肺音もないしカゼかな~」と思うような症例です…。

でもここでちょっと待った!と思うのです。一度、耳をよーく見て、よーく触ってほしいのです。
片方、もしくは両方の耳が下がっていませんか?

耳の毛が濡れてはいませんか?耳道に指を入れてみると膿や漿液が指先についてきませんか?

耳標を通した穴の周囲に膿がついていませんか?

カゼではなく「中耳炎」あるいは「外耳炎」であるのに、それを見落としてしまう場合があるのです。「発熱でだるいからだろう」と思っていると、そこを見落としてしまいます。ただのカゼだと思って治療を続けてしまうと、そのうち症状が悪化してしまうかもしれません。熱があるのに肺音がない場合は、「ただのカゼだろう」と決めつける前に、ちょっとひと手間ではありますが、耳のチェックも行ってみてはいかがでしょうか。

|