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戸田克樹のコラム
第340話「ハエが送る重要なメッセージ⑤~いない方がよい~」

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2021年6月30日

梅雨に入ったのになかなか雨が降らない日々が続いています。スコールのような土砂降りは困りますが、快晴だと尋常ではない発汗に見舞われるので結構つらいですね。外で作業されている皆様、本当にお疲れさまです。

ハエは病原体をもたらし、周囲を飛び回られるストレスによって生産性の低下を招きます。そして、ハエがたくさんいる場所は臭気が強く、すでに衛生的に好ましくない状態にあると思われます。

こうした環境下では管理するスタッフもハエによるストレスに悩まされるかもしれませんし、大量のハエが飛来している場所では周囲から苦情を受けることもあるかもしれません。ハエの唾液やふんによって飼料の嗜好性が低下する場合もあります。牛は屋外で管理することが多いため、ハエを完全に排除することは難しいですが、やはり絶対数を減らしておくことは重要です。

ハエが好むような場所を作らない、牛舎周辺の雑草を除去しておく(ハエの休憩場所をなくす)、幼虫発育抑制剤や殺虫剤を使用する(噴霧タイプの殺虫剤は生体や人体への影響がありますので使用時は注意が必要です)、ハエ取りテープなどで成虫も捕獲する、給餌前のエサはシートなどで覆う、などハエをなるべく呼び込まない、定着させない努力をしていく必要があります。

夏は暑さや湿度だけでなく、ハエとの戦いまで繰り広げなければなりません。相当な苦戦を強いられますが、見慣れることなく「ハエが多い場所は不衛生」という意識をもって対応に当たっていただければ幸いです。

おしまい。

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