2021年6月16日 でも、ハエがたくさんいる牛舎もあれば、そこまでいない牛舎もあります。同じ牛舎内でもたくさんいる場所があれば、ほとんどいない場所もあります。 こうした違いはなぜ生じるのでしょうか。 それはハエが好むおいに関係があります。生ごみにハエがたかるように、牛舎のにおい(主にアンモニア)が強い牧場はやはりハエが多く集まります。飼料中のタンパク質を十分に利用できていないと、余剰分は尿やふん便中にアンモニアとして排泄されますので臭気が強くなり、ハエも寄ってきます。ご存知の通り、下痢便は正常便よりも臭気が強いため、アシドーシスなどで便性状が緩い牛が多いと彼らはよく集まってきます。哺乳期子牛の下痢便はヨーグルトのような独特な酸っぱいにおいがするせいか、ハエがすぐさま大量に集まってくる印象があります。風通しがよく牛床の状態が普段からよい牧場や下痢がほとんどでない牧場ではハエも少ないです。やはりポイントは「におい」のようですね。 前の記事 第337話「ハエが送る重要なメッセージ②~不快な理由~」 | 次の記事 第339話「ハエが送る重要なメッセージ④~すっぱいにおいに寄ってくる?~」 |