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笹崎直哉のコラム
過肥について考える その1

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2021年6月15日

 先日久しぶりに階段で転び、右肘と掌に擦過傷ができてしまいました。2階建のアパートの2階の部屋に住んでいるのですが、梅雨の影響で階段が濡れていて思いきり滑ってしまいました。軽症ですみましたが、階段で転ぶなんて小学生の頃以来です。まだ古傷が残っていますが、おかげさまで擦過傷や打撲をしてしまった牛さんを診察する際「痛かったよね。俺なんて階段で転んだんだぞ~。」とその痛みがいつも以上にわかるようになりました(笑)。今後も診療中も含め、足場が悪いケースに遭遇すると思うので、十分気をつけてようと思います。

 さて今回はエサを食べ過ぎてオーバーカロリーになり、過肥になった牛さんについて考えてみます。結論からいうと太り過ぎると恐ろしいデメリットがあるので注意が必要です。一方で太り過ぎず、瘦せ過ぎずという体型をしっかりと維持できれば、沢山のメリットを得ることができます。

 本題に入る前に、過肥の原因となる体脂肪について考えてみましょう。そもそも体脂肪って必要なのでしょうか、、、安心してください。絶対的な悪者ではありません。体脂肪にはさまざまな役割があるので紹介していきます。まず栄養の貯蔵です。必要なエネルギーがエサからの吸収では間に合わないとき、体脂肪を燃やしてそれにあてようとします。ちなみに体脂肪を燃やす際のキーマンは肝臓です。後に肝臓のお話をするので覚えておいてください。

 次に体温の保持です。熱を産む元となって寒い時期に活躍してくれるのが体脂肪です。さらに衝撃の緩和という役割も担っています。クッション材として体を守ってくれます。その他の役割として細胞、さらにはホルモンの構成成分にもなってくれるのが体脂肪です。

 これを聞けば「なんだ!!良いことばっかりじゃん!!」と大半の方が思われると思いますが、体脂肪が過剰になり太ってしまうと、そこには大きな落とし穴が待ち構えています。次回から子牛、繁殖母牛、肥育牛などのステージやシーンに分けてそのデメリットについて解説していきます。

つづく

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