 |
No.37 OPU続報② |
コラム一覧に戻る
2021年6月11日
またまたOPUの結果報告です(じっくりとコラムを書く時間がないだけです…)。
今回のOPUドナーは10歳を超える黒毛和種で、有名な系統の牛です。最近購入したが高齢牛で体内採卵では取れないかもしれないからOPUを試したい、とのことで弊社に依頼がありました。
事前の検診では子宮・卵巣所見を直腸検査や超音波検査で診るだけでなく、全身の栄養状態等も確認します。このドナー牛は子宮・卵巣に問題は無く、年齢の割に若々しく栄養状態も良好でした。また、この農家さんで飼養されている他の繁殖牛や子牛たちを観察してみても、とても発育良好で牛舎環境も良かったのでドナーにはエサの変更など特別な飼養管理は一切せずに通常通り管理してもらうようにお願いしました。また、FSH等のホルモン処置も必要ないと判断しました。
事前の検診で卵胞数が多いことは分かっていましたし、使用する精液が希少な種雄牛だったので、採取卵子数の目標を50個以上と決めて当日に臨みました。結果としては採取卵子数70個以上、培養卵子数60個以上、生産受精卵数15個以上(敢えてぼかしています。すみません)で、内心ほっとしました。農家さんにも喜んでいただき、今月もう一度このドナー牛でOPUを実施することが決まっています。
ドナー牛の遺伝的な能力ももちろんですが、その牛本来の能力を引き出すために飼養管理や栄養状態なども重要な要因だと改めて感じました。今後も農家さんの期待に応えられるように精進していきます!
前の記事 No.36 初OPU続報 | 次の記事 No.38 家畜の改良技術 その28 OPU編 |