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笹崎直哉のコラム
湿布コーナー その1

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2021年6月1日

 皆さんは牛さんの関節炎、筋炎、打撲症などの治療で獣医さんに診てもらい、患部に湿布を貼るように指示されたことがあると思います。
 牛さんは被毛があるので、皮膚にピタッと湿布を貼ることは困難なので正確には湿布ではなくて軟膏(塗り薬)になりますね。
 私たちは湿布を炎症を抑えたり、痛みを和らげる目的で使用します。もちろん牛さんも同じ目的で軟膏を塗り治療します。主成分はサリチル酸メチルと呼ばれるもので、特有な匂いを持ちます。雑談ですが、マラソン大会などでよくランナーが湿布を貼っているシーンがありますが、あの特有な匂いはサリチル酸メチルからきています。

 さて最近ふと疑問に思うことがありました。人では「温湿布、冷湿布」で使い分けますが、牛さんの軟膏でもそのような違いがあるのでしょうか、、、。

 せっかくなので人で用いられる冷湿布、温湿布について一度簡単に説明します。冷湿布には「メントール」というものが含まれており急性の痛みの緩和に効果があるようです。腫れていて、熱を持っているときは、冷やすことを優先し、冷湿布を使用することが推奨されているようです。
 一方、温湿布には「カプサイシン」や「トウガラシエキス」などが含まれており、肩こりや腰痛、神経痛などの慢性的な痛みに効果的で、血液循環の改善および新陳代謝促進を目的にしているようです。

 では牛さんで使う軟膏にはこのような違いがあるのでしょうか?

つづく

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