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戸田克樹のコラム
第335話「保定の位置はどうでしょう」

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2021年5月26日

あれ?体温計がない…診療車のいつも置いてある場所にもない。ポケットにも入ってない。
もしかしてさっきの牧場に忘れてきた!?と焦ったときに左手を見ると

ありました。いろいろな意味で今日は早く帰って休もう、と決意しました。

ところで、調子の悪い牛さんやこれから獣医師に診察してもらうような牛さんたちを捕まえるときにみなさんはどこに保定していますか?牛の保定法については皆さんに大人気!なシェパード動画シリーズでもすでにご紹介されていますが(牛の保定法 1 restraint of cattle’s head 1 など)、牛さんをつなぐ場所にもちょっとだけ気を使ってほしいポイントがあります。

それは「他の牛がなるべく近寄ってこない場所を選ぶ」という点です。

たとえば、隣接する部屋と共通の柵に保定した場合では、

この写真のように関係ない牛さんが一斉によってきてつながれた牛さんにちょっかいを出してきます(中にはロープをずっと舐めたりかじったりされて保定が外れてしまうこともありますので、そうならないような縄の縛り方を心がけなければいけませんね)。ちょっと自分に置き換えて考えてみたのですが、動けないように柵に保定され、その目の前にたくさんの人間がよってきたら結構恐ろしいです。これから処置する牛さんが恐怖心で落ち着きを無くしてしまわないよう、保定する際は他の牛さんが少しでも寄ってこないような場所をセレクトされることをおすすめします。

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