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松本大策のコラム
お薬の配達

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2021年5月24日

 皆さん、季節の変わり目ですがお元気ですか?
 実は先週のコラムをすっ飛ばしてしまいました。ごめんなさい。ガッキー様が星野源と結婚したショックで寝込んでいました(嘘)。

 新しい診療所を立ち上げるって、こんなに大変だったっけ?と思うくらいやることが多くて、おいちゃんはもうバテバテです。

 ところで、皆さんは牛さんに注射を打つときに、お薬の配達(カッコつけるとドラッグデリバリー、と言います)のことを考えていますか?例えば、脚が腫れているときに皮下注射や筋肉注射(僕は肉用牛には、極力筋肉注射はしないようにしています。筋肉は商品そのものだからです)、静脈注射などをしたとします。その場合、お薬は全身に分布して、痛めている脚にも先進に分布した濃度でしか働きませんよね?
 そこで、悪いところ(患部)にお薬をたくさん届けるにはどうしたらいいのか?というのが、お薬の配達(ドラッグデリバリー)です。
脚が腫れているなら、その部分に皮下なり筋肉なりで注射をする、関節炎なら関節腔内に注射をする、と考えると、お薬を効かせたい部位に効果的にお薬を届けることができます。

 シェパードでは、このドラッグデリバリーをとても大切に考えています。お薬を効果的に届けるので、よく効くというだけでなく、づくないお薬の量で効果を発揮できるのです。
 これは、例えばデキサメサゾンを併用する際などに、その恩恵を実感します。というのも、デキサメサゾンには「免疫抑制」という副作用があるので、たくさん使いたくはないけれど、炎症を抑えるためには欠かせない重要な薬剤なのです。
 このお薬も、患部に直接届けることができれば、使用量を抑えて副作用の免疫抑制は制御しやすくなります。

 この考えに基づいて、僕は関節炎、筋炎や肺炎にも局所注射をするように心がけています。ただ、なかなか共済点数では認められないことも多いので、農家さんに詳しくお話して、許可をもらうことが多いのですが、早く効率的に治るなら自腹を切る、という考え方も大切ですよ。

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