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蓮沼浩のコラム
第665話:自分の行動を説明する

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2021年5月13日

 今年は家の家庭菜園に気合をいれています。毎年惨憺たる結果になっているのですが、今回は毎朝出社前にしっかりと手入れを行い、何とか安定した収穫量を確保できるように頑張ります。

 今はどこの牧場や職場でも新人さんがはいってきて、研修をしていると思います。本当に新しい人材が来てくれることは、ありがたいですね。先輩社員の方たちはまずはしっかりと新人さんに仕事をおぼえてもらうために、いろいろと教えていると思います。
 小生は新人獣医さんを今まで何人も教えてきました。今は前村獣医師に診療についていろいろ教えています。その中で特に意識しているのが、自分の行動をしっかりと説明できるように教えることです。

 ・何故この治療法を選んだのか?
 ・何故この疾病をそのように診断したのか?
 ・何故このような動作を自分がするのか?
 ・何故このように話をしたのか?
 ・何故このような検査をするのか?

 ありとあらゆる自分の考え方や動きについて、「ただ何となく」「今までそうだったから」「気分の問題」などというあいまいな表現ではなく、しっかりと理由を説明できるようにできるだけ意識して教えています。もちろん、小生も判断に迷うときも多々ありますし、わからない事もあります。ピントがずれた診療をしていることもあるかもしれません。しかし、そのような時でも「自分は今までの診察と検査結果からこのように考えて現在の治療方針を立てているけど、どうも様子がおかしい」と説明し、一緒になっていろいろと調べて、家畜診療の範囲内でできうるベストの処置ができるように努力しています。
 実は人に教えることは、自分自身にとってもとても大きな勉強になります。説明するときにわからないことがあれば、しっかりと論文を検索し、間違えて教えないように数値や方法を覚えなおし、いい加減な処置をしないように改めて基本に忠実になります。
 新人さんが入ってくるということは、じつはその組織で今まで働いている人が大きく成長できるすばらしい機会でもあります。そして、その組織だけでなく日本の未来につながるとても大切なことだと思っています。
 
 まだまだ小生は修行の身。新人獣医さんと一緒に精進したいと思います。

今週の動画「Hemorhagic enteritis (part2)  出血性腸炎 (その2)」

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