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戸田克樹のコラム
第331話「2日目が心配―オペ編―」

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2021年4月21日

春ですね~。朝はまだ寒いなーと感じますが、農場に出向くと暖かい日差しが降り注ぎ、鳥のさえずりがあちこちから聞こえてきて、春を感じますね~。そして…眠くなりますよね~。

最近、会社のデータバンクに保存してある過去の写真や動画集を見直しているのですが、笹崎獣医師と帝王切開したときの写真が見つかりました。帝王切開はラブストーリー並みに突然やってきますし(ネタが古いか…)、農場にはオペ室もないし、人員の確保も大変だし、事前の保定や準備も慎重にやる必要があるし、「あと〇件あるけどオペは1時間以上かかるし今日終わるのかな」などという余計な心配が浮かんでくるし…。いろいろと神経も体力も使う大きなイベントです。できれば帝王切開は避けたいと思っている農家さんに対して納得してもらうような説明をするテクニックも必要になってきますね。

そんなこんなで帝王切開を実施して、子牛を無事に娩出し母牛の閉腹まで終えて一安心…なのですが、実はここからが数日間心配なんです。特に2日目の牛の状態が確認できるまでは全然安心できません。オペ中に出血が多かったり、縫合に手間取ったりした場合はさらに心配です。痛みが強いせいか、やはり翌日以降の食欲や起立欲が悪いケースがあります。そんなときは抗生剤、点滴などの処置を施しながら「がんばろーなー。ホントがんばろーなー」と心の中で語りかけています。オペをした人間はいつも翌日以降の牛さんの様子が気になっています。

翌日にモシャモシャとエサを食べている様子を見れば感動すらしますね。術後の治療を実施しながら食欲が少しずつ良くなっていくのを見るとほっとします。

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