2021年4月8日 先日出張先で巡回していたら、牧場にとてもカラスが多かったので「やはりカラス対策は何とかしておかなくてはいけませんね」などと話していました。 今回のコラムでは小生がいままで経験してきたアナフィラキシーを紹介してみようと思います。紹介するアナフィラキシーにはワクチンだけでなく、抗生剤等によるアナフィラキシーも含まれています。また、アナフィラキシーには診断基準があり、かなり細かく分類されています。基本的には皮膚・粘膜症状、呼吸器症状、循環器症状、持続する消化器症状のうち、複数が当てはまるときにアナフィラキシーと診断されますがアレルギーとの鑑別が牛さんの場合難しいので一部アレルギーとアナフィラキシーがごっちゃになっているかもしれませんので、その点はご了承ください。 ◎皮膚・粘膜症状 (全身の発疹、掻痒、紅潮、浮腫) 小生が今までで一番経験しているアナフィラキシーはこの皮膚・粘膜症状になります。ワクチンを接種したあとに目や外陰部に浮腫ができることが多いです。特に目の周りの腫れや粘膜の紅潮は頻度が高いように感じています。掻痒(そうよう)に関してはちょっと牛さんの場合わかりにくいので何ともいえませんが、おそらく掻痒感はあるのではないかと推察しています。 往診を回っていると、ワクチンも注射も打っていないのに、肥育前期の牛さんの目の周りがアナフィラキシーのように腫れていることがあります。カビ毒が原因であるとも言われていますが、小生は経口摂取したものからのアナフィラキシーの可能性もあるのではないかと考えています。注射も何もしていないのに全身に発疹が出ている牛さんにも時々遭遇します。こちらも経口摂取したものからのアナフィラキシーの可能性があるのではないかと考えています。ヒト様でもソバなど食事からのアレルギーもしくはアナフィラキシーがありますからね。まだまだ牛さんの世界では食べ物からのアナフィラキシーについては研究が進んでいないので、これからいろいろわかるといいですね。
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