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蓮沼浩のコラム
第660話:アナフィラキシー その1

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2021年4月1日

 今日本では新型コロナウイルス対策として、ワクチン接種が始まっています。世界でも多くの方がこのワクチンを接種されています。この中で結構重要なポイントとなっているのが、ワクチン接種による副反応になります。小生はヒト様の世界に関しては門外漢なの何ともいえませんが、結構副反応がでている印象をもっています。一部の国ではワクチンの使用を一時停止しているところもあります。本当にいろいろと難しい問題が多いです。

 獣医師さんは牛さんにワクチンを接種することがしょっちゅうあります。小生もそれこそ数えきれないくらい牛さんに接種してきました。地域、そして農場を守るためにこのワクチン接種は絶対に必要なことだと思っています。3月からは牛さんの異常産ワクチンの接種時期なので、シェパードの獣医さんも現在ワクチンを頑張って接種しています。今シーズン、笹崎獣医師は診療業務をしながら相当な頭数を接種しています。お疲れ様です!!
 ただ、ワクチンを接種するにあたり、当然ヒト様のワクチンと同じように、副反応という問題が出てきます。本当にいろいろ経験してきました。小生はワクチンを接種するときに(もちろん、そのほかの治療もですが)いつもこの副反応というものを念頭に処置をおこなっています。
 このワクチンにおける一番メジャーの副反応が「アナフィラキシー」というものになります。ではこのアナフィラキシーについてちょっとみてみましょう。

■アナフィラキシー

 アレルゲン等の侵入により、複数の臓器に全身性アレルギー症状が惹起され、生命に危機を与える過敏反応。このアナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックという。

■症状

 ◎皮膚・粘膜症状
  全身の発疹、掻痒、紅潮、浮腫

 ◎呼吸器症状
  呼吸困難、気道狭窄、喘鳴、低酸素症

 ◎循環器症状
  血圧低下、意識障害

 ◎持続する消化器症状
  腹部疝痛、嘔吐

 なんだか怖そうな症状がいろいろありますね。これはヒト様のアナフィラキシーの分類になりますが、次回はこの分類に従って、実際の肉用牛の臨床現場で遭遇するアナフィラキシーについてこまかく紹介していきますね!
 
 
今週の動画「㈱シェパード関東家畜診療所、いよいよ始動です!」

 

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