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松本大策のコラム
「床がぬかるむ」

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2007年5月7日


 ときどき、「すっごく床がぬかるむ部屋がるんだけど...。」という相談を受けることがあります。すべて解決できるわけではありませんが、いくつかのパターンでは解決できるケースがあります。
 まず、骨軟症やカルシウムの不足で尿が増える場合があります。(写真1,2)どうしてカルシウムが不足すると尿が増えるのか?というのは少し難しいお話になりますが、アルドステロンというホルモンが関係しているという説や、骨カルシウムの動員の際に一緒に異化されたタンパク質の老廃物であるアンモニアを排泄するために尿が増えるという説があります。このケースでは、カルシウム剤やビタミンDを給与することで尿が減少して床のぬかるみが改善します。
 他のケースとして、飼料の塩分が多すぎて、飲水量が多い場合と、逆に飼料の塩分が不足しているために、身体に水分を保持できなくて尿が増えているケースがあります。この場合、塩分が多すぎる場合は減らすことで、飲水量を減らして尿を減少させることができますし、逆の塩分が不足しすぎているような場合は固形塩などの設置で尿を減らしてぬかるみを減らすことができます。
 それから、飼料タンパクが、その牛さんに対して過剰である場合も、タンパク質の老廃物であるアンモニアを尿は移設しなければならないので尿の量が増えます。このあたりは地元の技術者の先生と相談してみましょう。
 この他、大型の鳥取系などで尿がとても多い牛さんがいる場合があり、この場合はなかなかぬかるみを減らすのは難しいです。
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