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笹崎直哉のコラム
包帯チャンネル その9

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2021年3月23日

 気がつくともう桜の季節になりましたね。いつも「満開になってから花見に行こう」と思っているのですが、結局満開の時期を逃しすでに散っているというのがオチなので少し早いですが花見にいってきました。とてもきれいでした。

 さて包帯チャンネル最後回は「ギプス包帯」について紹介します。
 牛さんの骨折症例でよく使うギプス包帯。ギプスはドイツ語で石膏(せっこう)を指します。人間でも骨折、脱臼などに使いますが、主に外固定を目的に使用します。外固定は皮膚の外から固定する方法をですが、一方で鋼線やネジなどの金属で骨折した部分を直接固定する方法を内固定と呼びます。実際の牛さんの骨折症例で内固定を行うケースは少なくギプス包帯による外固定を実施するケースが多いように思います。
ギプス包帯は石膏タイプもあればプラスチックタイプもあります。プラスチック製のギプスは軽量で扱いやすいのが利点です。どちらも水につけると化学反応がおきて数分程度で硬くなります。伸縮包帯や弾性包帯などの包帯よりも強力に固定をすることができます。

 注意点としてギプスの装着後に固定した部分の腫れが強くなると神経麻痺、血行障害の発生リスクがあることです。ひどいときは筋肉などの組織が壊死してしまうケースがあります。なのでギプスを巻く前に患部を綿などのクッション材で覆い、包帯で軽く固定をしておくことやギプスの縁などがあたって、血行を妨げないように工夫することが重要です。

 長くなりましたが、包帯チャンネル終了です。ありがとうございました。

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