「出荷前に牛を落ち着かせよう　（その３）」 | 有限会社シェパード中央家畜診療所

「出荷前に牛を落ち着かせよう　（その３）」

2007年4月16日

　あと、出荷の順番も大事です。４頭入っている牛小屋から１頭出荷しなければならない場合、みなさんならどの牛さんから出荷しますか？
　同じ部屋の牛さんでも、仕上がりには差があるものです。牛さんは順列を作る生き物ですから、やはりボスは大きく、できも良いでしょう。一番順位の低い牛さんは、弱いので餌食いの時もあとからになりますし、イジメのストレスなどでやはりできが悪いことが多いと思います。
　このとき、ついできの悪い牛をもう少し飼い伸ばしして、できあがりの良いボスから出荷しよう、と思いがちなのですが、これは大きな間違いです。
　牛さんの群れを管理しているのは、牛さんのボスです。こいつがいなくなったら、部屋の秩序が乱れます。「次のボスはわしじゃけん」と跡目争いが起こって、群れ全体の肉色が悪化することも珍しくありませんし、場合によっては角突創（角あたり）ができて出荷できなくなったり、出荷後に部分廃棄になったりする場合もあるのです。
　このときは、他のどの牛さんを出してもボスだけは残すようにしましょう。そうすれば、群れの秩序は護られるので、いらぬストレスがかかることもなくなります。

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