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江頭潤将のコラム
No.22 小休止−4 はたらく細胞

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2021年2月12日

 最近よく周りで「はたらく細胞」というマンガが学習にも使えて面白い、という話を耳にします。どんなマンガかというと、文字通り体の中で働いている細胞をテーマとしたもので、細胞が擬人化されておもしろおかしく体の中で起きていること(炎症や感染、免疫系などなど)がバトルマンガ風に描かれています。

 皆さんも病気になった牛の血液検査をしたときに赤血球数や白血球数のことについて獣医師から説明を受けたことがあるかと思います。また、伝染病の抗体検査をしたときやワクチンの効果を調べるときに抗体価がどれくらいかなどの話を聞いたことがあるかもしれません。このマンガではその赤血球や白血球、抗体産生細胞などが擬人化されていて、どこでどんなときにどのような働きをしているのか知ることができます。病原体の感染によって起こる肺炎や下痢に罹患したときも体の中でどんなことが起きているのか、ちょっとだけ想像しやすくなるかもしれません。

 「はたらく細胞」は人間の細胞の話ですが、同じ哺乳類ですので牛と共通するところが多いです。体の中で起きていることを身近なものとして親しみやすくするためには文章だけよりもとっつきやすいですね。また、生物学を勉強し始めた中高生や、専門学校や大学で専門的なことを学ぶ前の導入としても良いかもしれません。もちろん、獣医師としてより専門的なことを学ぶ上ではこのマンガだけでは足りません(しかしながら恥ずかしいことに、読み進めていると勉強したはずなのに忘れていることが結構あります…)。このシリーズには他にも「はたらく細菌」や「はたらく細胞BLACK」といったスピンオフ作品もあり、どれも面白そうですので読んでみてはいかがでしょうか。

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