2021年1月7日 新年になり、これからの日本の農業の方向性を知るために「令和2年度農林水産関係第3次補正予算の概要」を読んでみました。予算をみることで、日本という国家がこれからの農業をどのようにしていこうと考えているのかがわかります。読んでみるとやはり海外への輸出は大きな政策の柱となっていることがわかります。 「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づく施策の実施 数年前まではTPPという言葉が農業分野では大きくクローズアップされていました。しかし最近はニュースなどでこのTPPという言葉をみる機会が少なくなったのではないでしょうか。ただ、TPPはもちろんなくなったわけではなく、現在進行形でこの自由貿易協定は着々と進んでいます。ヨーロッパやアメリカとの貿易協定も同時に進んでいます。もう後戻りはできません。牛肉の関税に関しては毎年確実に下がってきています。他の農畜産物の関税も下がってきています。黙っていたら、どんどん海外勢に押されて、国内での日本産農産物のシェアはどんどん奪われてくるのではないでしょうか。だからこそ、農林水産省は以下のタイトルで予算をつけています。 2030年輸出5兆円目標の実現にむけた「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」の実施 「もう日本の農業は輸出を強化していくしかな~~~~い!!!!!」 という日本という国の心からの叫び声が聞こえてくるようです。1992年に日本は「ガット・ウルグアイ・ラウンド」という日本の農業にとってとてつもなく大きな問題に直面しました。この時は牛肉・オレンジの自由化という問題がクローズアップされました。この難局を乗り越えるために、日本の肉用牛業界の先輩方は「牛肉の高品質化」という戦略を立てて海外牛肉との商品の差別化をすすめ、何とか乗り越えてきました。この流れは現在まで続いています。
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