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松本大策のコラム
「出荷前に牛を落ち着かせよう (その1)」

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2007年4月2日


 肥育農場のみなさん、牛さんのご機嫌はいかがですか?肥育に限らず、農場でもっとも心がけなければならない事のひとつは、「牛さんを快適にしておいてあげる」ということです。そうでないと、いろんなストレスから肉質が悪くなってしまったり、種がつかなくなってしまったり、といろいろな生産性の低下が起こります。
 こと、肥育牛の出荷前は大切な時期です。この時期に牛さんの快適度が下がると、せっかくそれまで一生懸命育てて世話をしてきた苦労が水の泡になって、肉質がガタ落ちになることがありますから注意しなければなりません。出荷というのは牛さんにとって大変なストレスです。住み慣れた我が家を追われてトラックに乗せられ、仲間の悲鳴が聞こえる訳の分かんないところに連れ込まれるのですからね。ストレスがかかると上昇するといわれている副腎皮質ホルモンの値が、実際に出荷の時にかなり上昇しているのです。
 副腎皮質ホルモンの値が上昇していると肉色が悪くなるという調査結果も出ています。こういった出荷時期のストレスを軽減してあげないと、本当によい肉質は得られません。
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