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戸田克樹のコラム
第315話「ちょっとしたことだけれど」

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2020年12月23日

寒いです。診療所管内でも粉雪がちらつく場所が出てきました。鹿児島でも雪はときどきふりますし、冬もやってきます。南国なのに…(宮崎生まれなので冬が苦手なのです)。

ところで、普段あまり往診の連絡がこない牧場さんがいくつかあります。
病気がないことは良いことなので、普段から「獣医師は来ない方がいいですよ」と笑いながら農家さんに話すことが多いです。病気がないと農家さんも余裕綽々で、そのせいか場内の雰囲気が非常によくなります。さらに「病気がない⇒管理がラク⇒成績が良い⇒収益アップ」という良いサイクルにつながります。もちろん中には単に放置されていただけで気づいたときには重症じゃないか!というケースもありますが、たいていは病畜の治療という目的で獣医師がやって来る機会が少ない牧場さんは成績も良いですね。

もちろん、牧場の成績改善のための巡回という形で定期的に獣医師や外部のアドバイザーがやってくることは非常に良いですし、治療が必要な牛は積極的に処置していかなければいけませんので、獣医師は来ない方がいいんだって!なんて言わないでくださいね(笑)。

そんな普段あまり行くことがない牧場さんのところへ久しぶりに呼ばれて到着すると、入り口の看板に蛍光テープで縁取りがされていました。

これまではこのテープがなかったのですが、昼間でも非常に目につきます。「これは押さなければ!」というやる気も出てきますね。冬は日没も早いですが、夜間でもヘッドライトに反射されて光るのでより目立ちます。

牧場の入り口は病原体が侵入する入り口でもありますから、しっかりと消毒してから入ってほしい!そういうメッセージが込められているように感じました。また、気持ちに余裕があるからこそ、こうした取り組みができるのだと思います。変化自体は小さなことですが、この「ちょっとした変化」の積み重ねが良い牧場づくりには欠かせません。私も毎日ちょっとしたことでいいので何かひとつ変化させていくことにしました。がんばります。

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