2020年12月11日 ○性選別精液 実験を行うときに細胞を光らせて観察しやすくする蛍光試薬の一つにヘキスト(正確にはHoechst33342)というものがあります(参考に受精卵の二重染色の画像を載せています。ヘキストによって細胞の核が青く光ります)。この試薬を精子と反応させるとDNA量に応じて蛍光強度が変化するので、DNA量が多いX精子の方がより強く光ります。あとは蛍光の強さによってX精子とY精子を分けてあげればOKとなります。 蛍光の強さを読み取るのはフローサイトメーターという機器を使用します(フローサイトメトリー法。現在ではこの方法以外の新しい技術も開発されているようです)。詳しい原理についての説明は省きますが、精子一個一個にレーザーを当てて蛍光の強さを読み取ってX精子とY精子を識別して分離します。一個ずつ読み取るので、一回の射精で得られる精子(数十億個!)全部を分けようとするとものすごーく時間がかかります。 マニアックな話になってしまいますが、このフローサイトメトリー法による性選別精液開発の歴史は面白い(と個人的には思っています)ので次回紹介したいと思います。 前の記事 No.13 小休止−2 | 次の記事 No.15 家畜の改良技術 その13 |