2020年12月7日 最近、子牛の人工哺乳も増えていますが、手やり哺乳の場合、子牛をハッチに入れて個別飼いする事が多いと思います。これは子牛の個体管理をする上でとても有利ですし、とくに和牛は群を作る際にストレスを受けやすいので、ハッチで哺育して丈夫にしてから、育成で群を作らせるというのも合理的かもしれません。 しかし、ハッチも上手に使わないと、せっかく個別飼育しているのに病気が蔓延したり、ハッチのせいで子牛の発育が阻害されてしまったりと経営に不利になってしまいます。今日は少し、そのあたりの事を考えてみようと思います。 まずは、ハッチの大きさですが、大きな牧場などで限られたスペースで、できるだけ多くの子牛を飼育しようととても狭いハッチを使っているところがあります。僕が知っている限り、縦の長さが75cmというところもありました。 また、隣とくっついた、しかもフレームだけのいわば「連続した檻」みたいなものもありました。これでは子牛同士がなめ合ったりしてマイコプラズマが伝染ってしまったり、下痢が隣に飛んで下痢が伝染ってしまったりとあまりハッチの利点が活かされる作りになっていません。 きちんと子牛同士がふれあわないように木枠でハッチを作っていても、ミルクや餌を摂るときに前に首を出してなめ合うこともあります。本来ならハッチ同市の間隔は1mは空けた方がよいのですが、狭い日本ではなかなかそのような余裕もありません。 そういうときは、ハッチを斜めにして配置すると前から首を出してもお互いをなめ合うことはできません(写真)。せっかくですから、片側だけでよいので横板の高さも高くしてあげましょう…これで子牛同士の感染の機会はかなり減らすことができます。 それから、ハッチをコンクリートの上に置いていると意外に床から冷えますから、床に断熱シートを敷いた上で敷料を入れることをお勧めします。なんと言ってもおなかは免疫の中心!お腹が1℃冷えると、免疫力は8%も低下するそうですから、お腹の冷え防止をとくに重視しましょう。 前の記事 大規模化について考える | 次の記事 今年、なんか多かったんですよね。子牛の蹄の化膿が。 |