2020年11月17日 では実際に手術の流れを紹介しようと思います。牛さんは前日から絶食管理し、お腹が張らないようにしました。鎮静術で寝かせ、仰臥位保定し剃毛と局所麻酔を行った後切皮開始です。 今回は雄なので陰茎が臍付近にあります。なので尿道口から離れた場所を切皮するように意識し切皮線は半円形にしました。これなら排尿時の汚染リスクを減らすことができます。 ヘルニア嚢を露出させることを目的に、ペアンやガーゼを用いてひたすら鈍性剥離します。 鈍性剥離が終わり、ヘルニア嚢がくっきりと出てきました。 そのままヘルニア嚢を腹腔内に入れ込んで、縫合糸を二重にした状態でマットレス縫合を行い、しっかりとヘルニア輪を閉鎖します。これは非開腹式のヘルニア整復術になります。 皮膚縫合もマットレスで行いました。少し時間が掛かりましたが、マットレス縫合は組織同士をしっかりと引き寄せられるので、個人的には好きです。死腔を作らないように慎重に進めていきます。手術台がなかったので、術者は座っての手術。途中から笹崎は腰の痛みと戦っていました(汗)。 抜糸を手術後10日に実施しました。まだ少し腫れが残っていましたが、化膿はなく経過は良さそうです。 術後の飼料給与は少量からスタートして、少しずつ慎重に増量することがポイントです。無事良くなりますように!! おしまい 前の記事 臍ヘルニアの手術~雄~ その1 | 次の記事 5Sってなんだろう |