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蓮沼浩のコラム
第640話:みて、触る

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2020年10月29日

 とても紅葉がきれいな季節になりました。出張先で車を運転していてあまりのきれいさに思わず息をのんでしまいました。紅葉に心が奪われるなんて、すっかり年取ったなと思ったら、知らないうちに誕生日がすぎていました。

 診断をつけるうえで何が重要か?

 小生はとにかく「視診」と「触診」を重要視しています。意外と獣医さんはすぐに熱をはかって聴診器で聴診して診断をつけてしまいます。そしてちょっと気になった時は血液検査の実施。もちろんこれらのことは非常に重要ですが、もっと「視診」と「聴診」に力をいれても良いように感じることがあります。この「視診」と「触診」は小生、ものすごく重要なテクニックだと思っています。特にコンサルに行ったときなどは徹底して牛さんをみます。担当スタッフと話をしながら、とにもかくにも牛さんを注視。

・毛の状態
・皮膚の状態
・発育の状態
・呼吸の速さ
・歩き方
・牛さんの体のバランス
・便の状態
・他の牛さんとの違い
・目の状態
・粘膜の状態
・反芻の状態
・四肢の状態
・そして飼槽や牛床の状態
などなど

 それこそ意識を集中してとにかくみます。この「みる」ということをおろそかにしてはいけません。頭をフル回転させてじっとみます。

 次に「触診」。とにかく気になるところをしっかりと触ります。

・硬さはどうか
・触った時の牛さんの反応はどうか
・温度はどうか
・大きさはどうか
・動かしたときの状態はどうか
・押したときの状態はどうか

 とにかく気になるところは触りまくります。押してみたり、動かしてみたり、さすってみたりいろいろします。ただ、意外とこの触診もおろそかにされていることがあるようにも感じます。そして触診して気になる場合は穿刺したり、エコーをあててみたりもします。

 「視診」や「触診」は非常に多くの情報を与えてくれる非常に重要なテクニックです。同じものをみていても、全く気が付かない人とすぐに気が付く人がいます。それは、普段の診療でいかに毎回集中してみているかが勝負となると思います。真剣に牛さんを「みて」「触る」ということを意識して取り組むことが重要です。小生、まだまだ未熟者。これからも一層精進しなければいけません。

 それにしても・・・・なんであれ、見逃したかな~~~~~
 はあ~~~~俺何やってんだろ・・・・・

今週の動画 「Palpation of lymph nodes リンパ節の触診」

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