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笹崎直哉のコラム
難産のときに意識すべき点 その2

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2020年10月27日

 今月頭に行き始めたトレーニングジムですが、なんだかんだで通い続けてます。特に何かを目指している訳ではないのですが、トレーニング後に気分がスッキリするのが癖になり継続してます。ベンチプレスはたった30kgしか持てなかったのが、今は私の体重の55kgまで待てるようになりました。筋肉の進歩が分かるととても嬉しいです。

 では前回の続きに入ります。
 少し余談ですが私は難産で農家さんに呼ばれたときはカッパを着て以下のようなアームカバーを装着、あるいは直検手袋を輪ゴムで止めるスタイルで産道内に手を入れます(事前に除糞をしっかりと行うように気をつけています)。

 汚染を最低限に抑えるという意味で、この2パターンが私の中ではしっくりきています。

 では本題に入りますが難産のときに怖いのが産道の圧迫に伴う神経麻痺です。骨盤付近には、主に後肢の内転筋の運動を支配する閉鎖神経と呼ばれる神経が分布します。なので産道の圧迫と同時に閉鎖神経麻痺が成立することがあります。お母さん牛が立たない、無事に立ってもふらつく等の症状がある場合には疑ってもいいでしょう。特に分娩後、赤ちゃんの顔や口周りがパンパンに浮腫んでいる場合はお母さん牛が閉鎖神経麻痺になっている可能性があるので、「無事に産まれてめでたしめでたし」で終わらず起立欲や産道内の状態をしっかりと確認することをお勧めします。

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