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戸田克樹のコラム
第305話「ヤギトーーーク!⑥」

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2020年10月14日

今回は高齢ヤギをテーマにとりあげます。
ヤギが衰えを感じ始めるのは、メスであれば泌乳量が落ち始める8~9歳、オスであれば交配可能年齢とされる7~9歳以降であると言えます。ヤギの寿命は15年と言われますので、そこから6年は生きることになります。高齢期が意外と長いです。

健康寿命をいかにして高めるかが重要になることは言うまでもありません。少しでも快適なヤギライフを送ってもらうために、これから起こりうるトラブルと必要となる対策をおさらいしておきましょう

高齢ヤギのトラブルとその対策

トラブル① 歯が抜ける、歯が摩耗する
かみ合わせが悪くなってエサを上手に噛むことが難しくなります。草は短めに切ってあげて、硬いものは避けるようにしましょう。

トラブル② 四肢が衰える
足腰が弱まり、運動量も落ちてきます。生活スペースにある段差は極力除いてあげて、負担なく移動ができるようにしてあげましょう。

トラブル③ 神経質になることも
人間でも年齢を重ねると頑固になったり怒りっぽくなったりする方がいるように、ヤギの中にもそうなってしまうものがいます。なるべくストレスや不安の少ない環境を整えてあげましょう。

トラブル④ 免疫力が低下する
病気になりやすいだけでなく、回復力も落ちています。昼夜の気温差、強い風や冷たい雨にさらされるなど、ちょっとした気候の変化で命取りになる可能性もあります。天気予報を欠かさずチェックして、先回りした対策をとっていきましょう。

トラブル⑤ 群れの順位が下がる
放牧している場合、その群れには必ず順位が存在します。年齢を重ねるとどうしても若いヤギが強くなっていき順位が下がる場合があります。強い個体がジャマするためにエサを十分に食べられなくなってしまうこともありますので、高齢ヤギには専用のエサ場を用意してあげましょう。

これらのポイントをおさえておくと、ヤギさんとの長いお付き合いもよりハッピーになるのではないでしょうか。

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