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戸田克樹のコラム
第304話「ヤギトーーーク!⑤」

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2020年10月7日

今回はヤギの病気をテーマにとりあげます。

病気にかかりにくい飼い方は?と聞かれたら、「ストレスのない環境をいかに整えてあげることができるかにつきる」と答えます。さらに、牛と同様、ヤギは変化より安定を好むのもポイントです。

引っ越しや飼い主の変更に伴う住環境の変化、エサの変化、季節の変化、仲間の変化、といった「いつもと違う何か」が起こるとそれがストレスとなり体調を崩すきっかけになることがあります。

なるべく普段と変わらない日常を維持し、変化が起こるときは可能な限り少しずつ変えていく、ということを意識してみてください。例えば、移動が必要なときは休息をとりながら、エサを変えるときは今までのエサと混ぜながら、仲間が増えるときは数十分程度の同居から始める、などなど、対策がとれるものに対してはケアをしていきましょう。

さらに、夏には扇風機、冬は毛布や暖房器具の設置など、季節にあったお部屋にすることで季節の変化による影響を少しでも減らしてあげる必要があります。とくに夏は小屋を白く塗ってあげたり、木陰で休めるようにしてあげたり、といった対策も良いですね。

実際にかかる病気としては第一にガスがたまってしまう「鼓脹症」、コロコロ便がベチャベチャ便になってしまう「腸炎」、糸状虫(寄生虫)感染による「腰麻痺」、高熱を伴う「肺炎」など、さまざまな病気にかかる可能性があります。どれも早期発見が治癒への近道です。病気になりにくい環境を整えてあげると同時に、早期発見&早期治療で健康なヤギライフを謳歌させてあげましょう。

つづく

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