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松本大策のコラム
「肺炎の防除のお話9 薬剤添加その2」

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2007年1月29日

 実際にはどのように使うかというお話をしておきましょう。子牛は、1日に9リットル程度の水を飲みますから、たとえばエクテシン液という薬であれば水9リットルあたり10ml程度混入するように調整するのです。薬剤ごとに1頭あたり(正確には体重あたりで計算します。でも薬には適用量に幅があるので、その範囲であれば神経質になる必要はありません。)で投与する薬剤量は違いますから、それぞれの薬に合わせて設定することになります。というと面倒そうですが、心配いりません。飲水投与装置や薬剤の販売会社さんに相談すればやってくれます。
 注意しなければならないのは、効果的に薬剤を使うことと、耐性菌を作らない、ということです。この薬は効きそうだ、というとダラダラと連用し続ける農場がありますが、この方法は、最も耐性菌を作り出しやすい危険な方法です。抗生物質の説明書には必ず「週余に渡る使用をしないこと」と書いてあるのも、使い続けると耐性菌を生み出すからなのです。
 ではどうすればよいか?というと、「パルス方式」という使い方をします。これは、3日間薬剤を投与したら、その後2日間薬剤投与を中止し、その後再度3日間薬剤投与をする、というやり方です。
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