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松本大策のコラム
「肺炎の防除のお話10 薬剤添加その3」

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2007年1月31日

 もしも重度の肺炎が蔓延している場合は、2日間薬剤投与をやめる期間に、また肺炎が悪化したり蔓延したりする場合があるので、その場合は3日間薬剤を投与したら、次に別の系統の薬を3日間投与して、また再度元の薬を3日間投与する、というように同じ薬剤の連用をさけながら、細菌やマイコプラズマを叩いていくのです。
 それから、時々は鼻腔ぬぐい液(鼻の中を綿棒でぬぐい取ったものです)などで、自分の農場の肺炎の原因菌や、どの薬に弱いか(薬剤感受性といいます)を調べておくとよいでしょう。効果のある薬剤の中で、最も安いこと、人間であまり使わないこと、の2点の条件で薬剤を選択します。私たちは人を幸せにするために仕事をしているのですから、畜産の世界から人間の耐性菌を生み出すようなマネは絶対にやってはいけませんからね。
 このように、抗生物質1つとっても、いろいろと考えなければならないことがあるのです。でも心配ご無用。みなさんの周りにはそれぞれの専門家がいます。気軽にそういった方々の力を借りればよいのです。そのためには、みなさんが楽しんで牛飼いをしていること、素直に人の話を聞くこと、自分も誰かのために力を貸すこと、の3点が大切です。
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