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蓮沼浩のコラム
第635話:畜産局

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2020年9月24日

 先日フナ釣りに行ったら、50cmを超えるナマズが釣れました。フナも35cmほどの大型のものがつれたので非常に楽しかったですね~。

 先日新聞を読んでいると、ある記事に目がとまりました。

 農水省 畜産重視 「局」格上 
 組織再編案 輸出局を新設

 小生は肉用牛の診療と牧場コンサルティングを日々行っています。そして、そのような仕事をしながら現場でいろいろな肉用牛情勢をみています。そのような立場で思うこととして、非常に狭い視野かもしれませんが、今畜産経営は非常に難しい局面にあると小生は感じています。消費税10%、新型コロナウイルスの拡大による影響、インバウンドの消失などなかなか内需を拡大するのが難しいように思います。

 そのような中で農林水産省が打ち出した組織再編案。今後の日本の農業の進むべき方向性を示唆しているように思います。

 「世界的に人気の高い和牛などの畜産分野を強化するため畜産部を局に格上げし、重視する姿勢を強く打ち出す」との文言があります。また、輸出の拡大に向けて「輸出・国際局」を新設し、体制を整備するともあります。これからますます世界とのつながりを意識した畜産経営をしていかなくてはいけない時代が始まっています。

 ここで重要なポイントがあります。それは、これからの畜産業を日本国内の基準だけで考えるだけではいけないということです。これから5年先、10年先を見据えて日本の常識だけではなく、世界基準にも合わせていかなくてはいけません。アニマル・ウェルフェアや抗菌薬の使用方法、グローバルGAP、SDGsなども今まで以上に考えていかなくてはいけません。そして最後に一番重要なポイントがあります。

 それは・・・・

 伝染病です。

 特にFMD(口蹄疫)は要注意です。日本で発生すれば、とてつもない影響が出ます。輸出を頑張ろうと思っても、国内に伝染病が蔓延してしまってはすべてが水泡に帰します。実際、養豚業はCSFが野生のイノシシに広がり、ワクチン接種も行われていることから、今まで日本はCSF清浄国だったのが、2020年9月に清浄国のステータスは消失しました。このことから、日本産豚肉の輸出にはいろいろな制約がでてきています。
 田舎の鼻くそ獣医師ですが、時代の流れをひしひしと感じます。

今週の動画 「Ausculation of left abdomen ( Part 1 ) 腹部の聴診 その1」

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