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戸田克樹のコラム
第302話「ヤギトーーーク!③」

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2020年9月23日

では、具体的にみていきましょう。

①相談できる人は身近にいますか?
ヤギも生き物ですから病気になることもあります。一般の方では牛が病気することに驚く人もいるくらいですので、「ヤギは病気しない」と思っている人も結構多いのではないでしょうか。飼っているヤギが体調を崩したとき、相談できる人あるいは治療できる獣医師のどちらかを知っているでしょうか。事前にそれらが分かっていれば非常に安心です。ちなみに、獣医師も「ヤギを診察できる獣医師」であることが大切です。ヤギを治療した経験がない先生もいらっしゃいますので事前に確認が必要です。

②ベストな環境は整えてあげられそうですか?
基本的には外で飼いますよね。となるとヤギ用の小屋を作ってあげる必要があります。野生動物だから外でそのまま飼育しても良いのでは?と思うかもしれません。確かにヤギは乾燥には非常に強いのですが、雨に濡れることや冷たい風にさらされることがあまり得意ではありません。雨や風をしっかりと避けることができ、さらには落ち着いて休息をとることができるよう、小屋を準備してあげましょう。

③騒音トラブルは大丈夫でしょうか?
ヤギは季節繁殖動物です。短日繁殖(日照時間が短くなる秋~冬が繁殖期)のため、この時期は成熟したメスや未去勢のオスは繁殖相手を求めて大きな声で頻繁に鳴くことがあります。この音は住宅街では問題になるかもしれません。また、ヤギ特有のにおいもあります。近くに民家がある場合は事前にヤギを飼うことを伝えておいた方がよいでしょう。去勢されていれば繁殖行動はほとんど消失しますので、ヤギ飼いビギナーさんには去勢されたオスがオススメです。

つづく

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