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蓮沼浩のコラム
第633話:飼養衛生管理基準の改正 その6

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2020年9月10日

 年々自然災害が激しくなってきています。これからの自然災害に対してどのように対応するのか。日頃からシュミレーションしておく必要がありますね。できるところからやっていこうと思っています。

 これまで新しく改正された飼養衛生管理基準の内容について、小生が何度も読んで感じたことを独断と偏見を交えて書かせていただきました。率直な意見として、今回の改正には、牛飼い農家さんにとってはかなりレベルの高い要求もあると感じています。現場の一人の獣医師として、飼養衛生管理基準と現場の状況とのギャップに悩むこともあります。

 「う~ん、ここの農場ではどう考えても出来なさそうなんだけど・・・・」

 と思うこともしばしばあります。

 しかし、この飼養衛生管理基準というものは、牛さんを飼う人が遵守すべき基本的事項になります。今はまだ体制が整っていないところが多いと思いますが、これから目指していくべき道標になります。間違いなく世界は変わってきています。これから農家さんだけでなく、現場の指導員さんや獣医さんなど少しでも状況が良くなるように頑張らなくてはいけません。今まで紹介したもの以外にも「飼養衛生管理マニュアルの作成及び従事者等への周知徹底」や「獣医師等の健康管理指導」などもあります。マニュアルの作成など一部の農家さんにとってはかなりレベルの高い要求になるかもしれません。

 小生が牛さんの獣医師になろうと思ったきっかけは、じいちゃん、ばあちゃんが飼っている小さな農場を往診で回り「診療3分、茶飲ん話30分」という往診スタイルにあこがれていたこともあります。小さい農場で馬鹿話して、長閑に往診を回る。獣医師になったころはまだそのような世界もありました。しかし、気が付けば小生を育ててくれた農家さんは本当に少なくなり、時代の流れとともにそのような世界はほとんどなくなってしまいました。本当に時代の流れを感じます。

 ついつい昔の長閑な時を思い出して懐かしい思い出に浸ってしまいました・・・が、よく考えたらその頃は往診が多すぎて「死ぬ寸前の地獄の日々」でした~。

今週の動画 「鼻腔スワブ Nasal swab」

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