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蓮沼浩のコラム
第632話:飼養衛生管理基準の改正 その5

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2020年9月3日

 8月の連日の猛暑が少し落ち着いてきたら、今度は台風。要注意です。特に10号の動きからは目が離せません。なんかやばそう・・・。今から対策立てておいたほうがよさそうです。

 今、野生のイノシシにCSFが広がっています。そのため、今回の飼養衛生管理基準の改正では、放牧養豚を実施している養豚牧場に対して大きな制約が設けられています。では牛さんの場合はどうでしょう。

■ 放牧制限の準備(令和3年10月)
 法第三十四条の規定に基づく放牧の停止又は制限があった場合に備え、家畜を収容できる避難用設備の確保又は出荷若しくは移動のための準備措置を講ずること。

 放牧養豚を行っているところと比べればかなり対応がやさしくなっていますが、それでも放牧を行っている牧場にとっては、大変なことになります。来年の10月まで期限が設けられていますが、現在放牧している牛さんたちを収容する「避難用の設備」を準備する必要があります。ただ・・・・この「避難用の設備」とはどのようなものなのだろうか・・・・。放牧している規模や場所によって大きく「避難用の設備」の形態は変わりそうです。
 
 「出荷もしくは移動のための準備措置を講ずること」ともあります。出荷というのはかなり強烈ですね。どうしようもないときは最悪と畜場に出荷してくださいということになります。厳しい選択を迫られる時があるかもしれません。その時にどのように対応するのか。今まではあまり考えなくてもよかったかもしれませんが、これから放牧を継続するためにはしっかりと考えておかなくてはいけません。

 新型コロナウイルスが日本で広がったことで、ヒト様の生活様式も大きく変わりました。もちろん畜産の世界でも伝染病が広がったことで、ヒト様よりもかなり早い時期から畜産のあり方が変わっています。伝染病は世界をあっという間に変えてしまいます。とにかく世界が今まで以上のおどろくほどの速度で変わっていますね。さてさて、これからどうなることやら・・・。

今週の動画 「Urine sampling of a cow 雌牛の採尿」

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