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蓮沼浩のコラム
第631話:飼養衛生管理基準の改正 その4

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2020年8月27日

 連日の猛暑で家庭菜園がひどいことになっていますが、落花生と芋とゴーヤーだけは元気です。無精者の小生にはとにかく頑丈な種類が向いていそうです。

 牛さんを飼ううえで、飲み水は非常に大事なポイントになります。今回の飼養衛生管理基準ではこの飲み水についても言及されています。

◎ 飲用水の給与
 飼養する家畜に水道水等の飲用に適した水以外の水を給与する場合には、これを消毒すること。

 ヒト様が毎日飲む水道水は基本的に塩素消毒が実施され、安全に配慮されています。しかし、牛さんが飲む飲み水は基本的には消毒されていません。消毒などせずに自然にある水をそのまま利用しているところがほとんどだと思います。
 水源は本当にいろいろあります。基本的には地下水が多いように思うのですが、中には山の湧き水だったり貯水池からとったりしているところもあります。放牧地ではそれこそ沢の水や雨水をためてのませているところもあります。確かに飲用水が伝染性疾病に汚染されている場合、非常に大きな問題となることはよくわかるのですが・・・・・・・

 一体全体どのようにして飲水消毒を実施するのか???

 本当に場所によっては実施が非常に難しいと思います。小生は今のところ牛舎にドスマチックという飲水投与器を設置して、そこにオキシリンクSPを入れて対処する方法しか思いつきません。市水などを使う場合は水道料金がとんでもなくかかることも予想されます。

 「家畜の飲用に適した水」とはいかなるものなのでしょうか。ヒト様と同じ基準なのでしょうか。シンプルに「大腸菌が検出されないこと」あたりを指しているのでしょうか。
 あまりにも言葉の定義が漠然としすぎており、判断が非常に難しいようにも思います。

 何はともあれ、とにかくまずは一回各牧場で水質検査を実施してみることが肝要ですね。

今週の動画 「氷水 Ice Water」

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